フライトエリアの地勢
エリアの北側には人吉盆地、南側には都城盆地があり、両盆地内では特に接地逆転層が形成されやすい。人吉〜えびの間には加久藤峠(標高約700m)があり、人吉の南東側には白髪岳(標高1417m)が位置している。
エリア南西側には霧島連山最高峰の韓国岳(標高1700m)をはじめ、高千穂峰(標高1574m)、新燃岳(標高1421m)などが位置しており、これらは活火山のため気象庁等が常時観測をしている。また、霧島連山の北東側には小林盆地があり、さらにその東は山地が続く。
フライトエリア周辺の観測点
図中のハートマークは山頂気象班パイバル計測場所(加久藤峠)、星マークは特別地域気象観測所、緑旗マークは主要アメダスの所在地を示している。
<各地点の海抜高度>
人吉CLP 113m(373ft)
都城CLP 130m(429ft)
山頂計測地 740m(2,442ft)
人吉 146m(482ft)
上 166m(548ft)
加久藤 228m(752ft)
小林 276m(911ft)
都城 154m(508ft)
フライト時の留意点
飛行予定の直線距離は人吉〜都城間で約60km、えびの〜都城間で約40kmとなるため、霧島連山を越える際の巡航速度は50〜60km/h以上が望ましい(えびのから離陸する場合は30〜40km/h程度でも可)。そのため、西高東低の冬型の気圧配置から高気圧前面へ移行するような気圧配置が最も飛行に適している。
このような気圧配置の時、一般風は下層NNW風で高度が上がるにつれてWNW風となることが多く、人吉から離陸できるチャンスがある。もし下層の北成分の風が弱い時は、えびのからの離陸を視野に入れるべきである。
また、えびの〜小林エリアはW〜WNW風が吹き抜けやすく、風が強まりやすい。そのため、人吉から離陸してえびの〜小林エリアに着陸することを前提としたフライトプランは推奨していない(過去に小林エリアでハードランディングによる事故事例あり)。人吉・都城盆地内は接地逆転層が形成されていれば地上風は比較的穏やかだが、逆転層ブレイク後は風が強まるため、ブレイク時間の予想が重要である。