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​フライトエリアの地勢​​

佐久エリアは本州のほぼ中央、長野県の東部にあり、日本で海から 1番遠いフライトエリアである。エリア北側には浅間山(標高2568m)、南側には赤岳(標高2899m)や蓼科山(標高2531m)などから連なる八ヶ岳連峰が位置している。エリア東側は荒船山(標高1423m)、西側は王ヶ頭(標高2034m)といった山々に囲まれており、さらに西側には飛騨山脈が南北に連なっている。また、エリア南東方向から北西方向へ千曲川が流れている。

海から遠く離れているため、内陸特有の気候が明瞭で、日較差が大きく、降水量は年間を通して少ない。盆地内では風は比較的弱いが、日中は局地的な熱的低気圧(ヒートロー)が発生し、ところによっては谷風が強まることがある。

地形詳細.png
断面図.png

エリアのBlue PZは10,000ftだが、CLPの標高が約640m(約2,100ft)あるため、数値予報データを利用する際には950,975,1000hPaの気圧面データを使用することはできず、注意が必要である。

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​フライトエリア周辺の観測点

図中のハートマークはCLP(千曲川スポーツ交流広場)、星マークは気象台及び特別地域気象観測所、緑旗マークは主要アメダスの所在地を示している。

<各地点の海抜高度>​

​CLP  640m(2,112ft)

佐久  683m(2,253ft)

​軽井沢 999m(3,297ft)

立科  715m(2,360ft)

東御  958m(3,161ft)

​上田  502m(1,657ft)

​地形風の特徴(午前)

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​夜間晴れた風の弱い日は放射冷却の影響で冷え込み、明瞭な接地逆転層が形成される。特に佐久エリアは周囲を山に囲まれた盆地であるため冷気が溜まりやすい。逆転層(安定層)内では主に山風の影響を受け、CLP付近では最下層でSW風、その上に千曲川沿いを流れるドレインの影響でSE風が吹くことが多い。時間経過で気温が上昇するにつれてサーマル活動が始まると、山へ向かう風(谷風)へとシフトする。

​地形風の特徴(午後)​​

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晴れた日には日本アルプスや八ヶ岳連峰などの山岳部で熱的低気圧(ヒートロー)が発生し、吸い込みの影響を受ける。また、関東方面からの海風が流入してきた時は東寄りの風が強まって吹くことが多い。

​地形による回り込みの影響​​

佐久エリアは周辺に標高の高い山地が多く、地形の回り込みの影響を受けやすい。場の風の風向によって、回り込みの主なパターンは以下の通りである。

 

【北寄りの風の場合】

佐久盆地の地形に沿って、上田〜東御〜小諸とWNW風が卓越しやすい。

【南寄りの風の場合】

富士山の東回りの風が碓氷峠を越えて東寄りの風となって佐久エリアに流れてくることがある。富士山の西回りの風は谷筋を流れて八ヶ岳にあたり、さらに分流される。八ヶ岳の東回りの風はS〜SE風、西回りの風はS〜SW風となる。

【西寄りの風の場合】

日本アルプスをはじめ、佐久エリアの西側は特に標高が高い山脈があり、西寄りの風はブロックされる。ただし、西寄りの風が強い時は山の風下側で山岳波などの乱気流が発生することがあり、注意が必要である。

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